#03 『なぜ1分で話せる事業計画以外は失敗するのか?』
2017.10.30
早速ですが、
「エレベータートーク」という言葉を
聞いたことがありますか?
もし知らなければ、
今日この瞬間に
完全に理解しておいてください。
知らないままだと
損をしっぱなしに
なってしまいます。
エレベータートークとは、
数十秒で説明したり、説得したりする
プレゼン能力のことです。
エレベーターを待っている間から
目的階に到着するまでの時間は、
階にもよりますが、約1分。
もし、会いたかったキーパーソンを
エレベーターの前で発見したら、
そこで使える1分間を
最大限に利用して、
説明したり
説得したりする必要があります。
1分間で相手の興味を
引き出せるか?
面白そうだ、
あとで詳しく説明にきてよ、
・・・と、言わせられるかどうか?
この能力の有無が
ビジネスの行く末を左右すると言っても
言い過ぎではありません。
そんなエレベータートーク、
実は「良い事業計画」と
密接な関連があります。
優れた事業計画は、
ひとことで表現できるからです。
逆の視点から言いましょう。
ダメな事業計画は、
1分で説明することが
できないものです。
事業計画とは、
経営者の夢やロマンを
ビジネス語に翻訳した
「みちしるべ」です。
成功はこっちですよ、と、
明確に矢印がなければなりません。
例を挙げましょう。
ITネットワーク機器大手の
シスコシステムズ。
成長の立役者の
ジョン・チェンバースは、
こんなエレベータートークで
資金を調達したと言われています。
「我々はネットワークを
ネットワーキングします。
出資してくれませんか?」
とてもシンプルで、
10秒もかからないプレゼンです。
当時、ローカルのネットワークが
普及しつつあった時代です。
グローバルなインターネットと
ローカルネットワークを
どのようにつなげるか?
さまざまな規格が乱立し、
たくさんの技術者が
頭を抱えていたときです。
このトークは、自分たちが
何をやろうとしているか、
すぐにわかります。
ご存知のように、シスコは未だに
企業向け無線LAN、ルーター、
スイッチのすべての市場で
シェアNo.1の三冠王です。
もうひとつの例。
キャッチコピーの
お手本としても有名なのが、
「人の、おしりを洗いたい」です。
言わずと知れた、
TOTOのウォシュレットの
CMに使われたフレーズです。
当時、おしりは、
拭くか、あるいは拭かないかの
選択肢しかありませんでした。
そこに、ウォシュレットは
「洗う」という新しい選択肢を
与えました。
しかし、そんな
売れるかどうかわからない便座を
仕入れてくれる販売店は
少なかったそうです。
そこで、TOTOの営業担当者は、
このキャッチコピーで
キーパーソンの興味を
ぐっと惹きつける
エレベータートークを
展開したという逸話があります。
あなたの考える
ビジネスアイデアは、
エレベーターに乗っている間に、
出資してみたいと
思わせることができるでしょうか?
もし自信がなければ、
まだ事業計画の作り込みが
甘いと言わざるを得ません。
1分で興味を持ってもらえない
事業計画は、
何時間かけて説明しても、
結果は同じだからです。
それではどのように
事業計画を作る必要があるか?
次回から、
具体的な秘訣を
伝授していこうと思います。