エンジニアの「モチベーション」を保つ方法は?管理が重要な理由をわかりやすく解説
エンジニアにとって、「モチベーション」が大切な理由は何でしょうか?また、エンジニアがモチベーションを維持するために技術マネージャーは何をすべきでしょうか?
今回は、エンジニアのモチベーション管理が大切な理由やモチベーションが低下する理由を紹介し、モチベーションを維持するために技術マネージャーがすべきことを解説します。
モチベーションとは
日本語では、モチベーションを「やる気」「動機付け」「意欲」などという意味です。人が目標や目的に向かって行動しようとする場合の原動力となる意欲ややる気のことです。
したがって、「モチベーションが上がる」は、「意欲がわく」「やる気が出る」という意味です。仕事の場面においても、「やる気を持って仕事に取り組んでいく」姿勢は、とても重要な要素です。
エンジニアのモチベーション管理が重要である理由
エンジニアのモチベーションが下がると、仕事の作業効率低下や品質低下を引き起こします。たとえば、正常な状態であれば60分で終わる作業がその倍以上かかっても終わらなかったり、終わったと思っても作業に誤りがあったことが指摘されたりするといった状態を意味します。
また、モチベーションが低下している状態は、職場に対しても悪影響を与える可能性があります。やる気のなさそうな態度が周囲に伝わり、コミュニケーションが取りにくくなったりぎくしゃくしたりといった状況が生じます。
さらに、このような状況が職場の中や会社全体に蔓延すると、離職率の増加につながっていく可能性もあります。
このような状態を回避するためには、モチベーションの管理を個人として行うと共に会社としても関心を払う必要があります。
エンジニアのモチベーションが低下する主な理由
続いて、エンジニアのモチベーションを低下させる主な理由について解説します。
- 残業が多すぎる
- 給与が上がらない
- 体調がすぐれない
- 職場の人間関係がよくない
- 成長している実感が持てない
- 頑張っているのに評価されない
- 希望する仕事に就けない
- 今後の目標(キャリアパス)が不透明
残業が多すぎる
仕事の納期直前などで一時的に残業時間が増えるのはやむを得ないと考えられますが、常に残業時間が多い状態が続くと許容範囲を超え、仕事への意欲が薄れてくる可能性があります。
残業時間があまりに多いとプライベートの生活まで浸食されてしまい、ワークライフバランスが崩れてしまいます。オフにやりたいこともできずに、仕事の疲れを癒すだけの休日になってしまいかねません。
仕事以外の事ができなくなり家族との生活も崩れる可能性があり、仕事に対するやる気の低下につながってきます。
給与が上がらない
入社後数年間は、仕事を覚え技術力を身につけるいわば「修業期間」みたいなものと捉えれば、給与が上がらないのはやむを得ないと考えられます。しかし、しっかりとした技術力を身につけても依然として給与が上がらない状態が続くと、仕事に対するやりがいが薄れモチベーションの低下につながってくることも考えられます。
逆に、給与のアップはエンジニアのモチベーションアップにつながっていく可能性が高いと考えられます。
体調がすぐれない
エンジニアのみならず、働くすべての人にとって働くための最も基本的で大切な原動力の一つは、「心身ともに健康であること」です。
健康を害して「体調がすぐれない」「精神的に弱っている」状態では、前向きに働こうとする力が湧いてこず、仕事に対するやる気の低下を招いてしまいます。
職場の人間関係がよくない
エンジニアといえど、一人の人間である以上、職場の人間関係は大切です。職場において同僚や上司と普通にコミュニケーションが取れており、良好な人間関係が構築できていれば、活力を持って協力しつつ仕事に臨むことができます。
逆に、同僚や上司とのコミュニケーションがしっくりいかず、人間関係がぎくしゃくしていたりすると仕事が進めづらくなります。
会社における仕事は、自分一人で完結できることに比べ、同僚と共に進め上司に結果を報告する流れで行う仕事の方が圧倒的に多いはずです。この過程で、同僚とのコミュニケーションや上司とのコミュニケーションが取りづらければ、仕事は進めづらいものになります。
結果として仕事に対するやる気が低下してしまう可能性があります。
成長している実感が持てない
頑張って仕事をしているにもかかわらず、「自分は成長している」という実感がまったく持てないことがあります。しかし、20代~30代のエンジニアであれば、成長していないわけはないのです。
ところが子供の成長とは異なり、「昨日できなかったことが今日になってできるようになった。」というようなことを体感することはほとんどありません。
「以前は解決できなかった課題への対応方法ができるようになった」「以前は、まともに相手をしてもらえなかった人と技術的な会話ができるようになってきた」など、目には見えませんが明らかな成長を実感できる瞬間はあるはずですが、なかなか自分ではわかりにくいものです。
頑張っているのに評価されない
会社で働くのは、収入を得ることが大きな目的の一つです。その収入を上げていくためには、上司から評価される必要があります。
にもかかわらず、頑張ってもその結果が正当に評価されなければ、給与は上がりません。このような状態が続けば、仕事に対するやる気の低下につながってしまいます。
希望する仕事に就けない
会社で働く目的は収入を得ることに加え、希望する製品やサービスの開発を行いたいということが挙げられます。たとえば、「自分で提案した製品を開発して世の中に届けたい」「自分で考えたサービスを通して、世の中に貢献したい」などです。
これを実現するために、頑張って仕事に取り組む人も少なくないですが、いくら頑張っても一向に希望する開発を担当させてもらえず、その理由が納得できない場合、仕事に対するやる気の低下につながる可能性があります。
今後の目標(キャリアパス)が不透明
仕事が一通りできるようになり、何とかエンジニアとして仕事をこなしていても、「この先、自分はどうすべきなのか」という問いに対して明確な目標を持っていないと、仕事に流されてしまい単に与えられた仕事をこなしているだけの状態になってしまう可能性があります。
つまり、「惰性で仕事をこなしていく」状態です。エンジニアであれば、誰しも目標を持って仕事を行うことによって、初めてモチベーションが維持できるものです。
エンジニアのモチベーション維持のためにすべきこと
続いて、エンジニアのモチベーションを維持するためにマネージャーとしてすべきことについて解説します。
- 開発プロジェクトや仕事の意義(大切さ)をしっかり伝える
- 仕事の結果を正当に評価する
- 常日頃からエンジニアとコミュニケーションを取る
- エンジニアへの期待を言葉で表現する
- 職場環境(残業時間、仕事のアサイン)への配慮を行う
開発プロジェクトや仕事の意義(大切さ)をしっかり伝える
開発プロジェクトなどにおいて、エンジニアが担当している開発の重要性を繰り返し伝えることにより、エンジニアはやる気を持って仕事に取り組めるようになります。
開発プロジェクトやその他の開発業務には、それぞれ大切な目的が必ずあり大切ではない仕事は存在しません。開発マネージャーは、まず自身でそのことを理解し納得した上でエンジニアに理解させます。
逆に、エンジニアがやる気を持って取り組むことができないのは、自分に与えられた仕事の意義や重要性を理解していないことが多いです。
一例を挙げて解説しましょう。製品開発プロジェクトにおいて、開発に着手する際、何の背景や重要性を解説することなく「新たな〇〇規格に対応した製品は、〇月〇日までに製品開発を行います。開発期間が少なく大変ですが頑張って、発売期限に間に合わせるようお願いします。」と言われても、「何でこんなに短期間に開発しなければならないのか?もっと、開発期間を取るべきだ」となります。
ところが、背景を含め次のように解説することで、行う開発内容は同じであってもエンジニアのやる気はまるで異なります。やる気を持って開発作業を進めるはずです。
「〇月〇日から、新たな〇〇規格の運用が開始されます。日本国内で販売されるすべての〇〇製品は、この規格に対応していないと、この日以降販売できなくなります。これは、当社の〇〇の売上を大きく左右する重要な事態です。従って、何としてもこのタイミングに間に合わせて、新規格に対応した製品を開発し市場導入させることが、我々製品開発部門に課せられた大切な役割です。よって、エンジニアの皆さんは、与えられたそれぞれの役割に対して、責任を持つと共に、会社に貢献できるとの誇りを持って仕事を進めてもらいたいです。」
仕事の結果を正当に評価する
仕事の結果をエンジニアに伝えていくことはとても大切なことです。
仕事の結果として、エンジニアが成果を出してくれた場合には「今回の君の働きは開発プロジェクトの成功に大きく寄与してくれた。とても感謝している。」と伝えれば、エンジニアは「次回も評価してもらえるように頑張ろう」という気持ちになります。
また、開発プロジェクトで期待通りの成果を上げられなかった場合であっても、言い方次第で次回へのモチベ―ションにつながります。「今回は、とても残念だけど成果を上げることができなかった。しかし、君の本来の力を発揮できなかったためだと思っている。次回は是非、今回の事を反省しまた頑張ってほしい。」といったように、結果だけではなく次回への期待も込めて解説すれば、エンジニアは「次回こそ、評価されるように頑張ろう。」という気持ちになります。
常日頃からエンジニアとコミュニケーションを取る
1人の仲間として、普通に常日頃からエンジニアとのコミュニケーションを図るように努めることが大切です。
日常から接していれば、元気がないときにでも気軽に話しかけることができ、話をする中で元気がない原因がわかることもあります。原因がわかれば、対処方法も考えられるためエンジニアのサポートにつながります。
エンジニアへの期待を言葉で表現する
開発組織におけるマネージャーであれば、組織内のエンジニア一人ひとりに対してそれぞれ期待することを持っているはずです。優秀なメンバーに対しては高い成果を期待しており、それ以外のエンジニアに対してもそれぞれのレベルに見合った成果を期待しているでしょう。
それぞれのエンジニアに対して、マネージャーとして持っている期待を具体的な言葉で伝えることにより、エンジニアは「〇〇マネージャーは、自分の担当内容をしっかりと理解し、期待してくれている。頑張ろう」という気持ちになるはずです。
職場環境への配慮を行う
開発プロジェクトや通常の業務において、エンジニアの労働時間は長くなる傾向にあります。マネージャーとして、メンバー一人ひとりの残業管理をしっかりと行い、残業時間の抑制に努めることは、肉体的な負荷の軽減につながります。
さらに「〇〇マネージャーは自分たちの体のことをしっかり考えてくれている」という気持ちになり、エンジニアのやる気にもつながります。また、メンバーのスキルや希望を把握した上で仕事のアサインを適切に行うことも、エンジニアのやる気に直結します。
このように、マネージャーとしてエンジニアに働きやすい環境への配慮を行うことは、エンジニアのやる気につながります。
エンジニアに関するお悩みはグロースウェルにお任せください
ここまで解説したように、エンジニアの抱える悩みやその対応方法から、会社においてエンジニアを管理するCTOやマネージャーの役割の重要性を認識頂けたでしょう。
貴社において、CTOが本来の役割を発揮できておらず、期待される成果も出せていない場合は、会社にとって大きなマイナス要因となりえます。そのため、一刻も早い対応が求められます。
そんな可能性を感じていらっしゃる場合には、ぜひお気軽に当社グロースウェルにご相談ください。グロースウェルは、皆様が抱える各種の事業課題に対して、これまでの数々の支援実績を踏まえ、メンタリングを通して支援しています。
最後に、当社グロースウェルの提供するサービスを紹介します。
- スポットCTO事業
- CTOのメンター事業
- CTO人材紹介事業
- CTO育成支援
スポットCTO事業
スポットCTO事業では、経営陣、システム・技術組織、プロダクト組織の問題解決をご支援します。多くの会社をご支援しているからこそ、これまでの多様な知見や経験を最大限に生かし、有益な価値を提供することができます。
対象は、経営者、投資家、事業責任者、CTO、プロダクトオーナー、マネージャー等です。一例を挙げると、次の支援実績があります。
- アドバイザリー(経営顧問、技術顧問)
- メンター(対象:CEO、CTO、CXO、VPoE、EM、PM)
- 組織問題解決
- 技術戦略支援
- プロダクト組織設計
- エンジニア採用支援
- エンジニア評価制度支援
- エンジニアスキルアップ支援
- CEO、CTO、VPoE、EM、PM育成支援
- プレ要件定義支援
- システム・アプリ開発ベンダー選定およびコントロール
CTOのメンター事業
事業は、少数の意思決定者、あるいは一人の経営者によって舵取りが行われることが一般的です。事業を効率良くスピーディーに展開する上では効果的である反面、客観性を担保することが難しく、場合によってはリスクの大きな選択を選んでしまう可能性もあります。
事業において、このようなリスクを軽減する上では、客観的な立場から意見ができる人物の言動を模倣することが有効です。いわゆる「メンター」と呼ばれる人物と出会うことができれば、確実な成功や成長をものにしやすくなります。
当社グロースウェルでは、自身の事業や人生を好転させることのできる重要な案内人となるメンターの探し方や、メンターを最大限活用してより確実な成功を収めるための支援を行っています。
CTO人材紹介事業
当社グロースウェルは、CTOおよびエンジニア組織責任者専門の人材紹介サービスとして「GWキャリアエージェント」を行っています。 エンジニアの上級管理職経験者による有料職業人材紹介を致します。
今までの総合人材サービスではエージェント側が業務理解度を持ち合わせていない場合が数多くあり、就業後のアンマッチが発生してしまい、良い転職に成り得なかったケースがたくさんあります。
グロースウェル代表である大芝は、上場企業でのCTO経験があり、現在はCEO(経営者)を務めています。高度な専門的技術と経営の2つの視点と高い理解度を兼ね備えた唯一無二のエージェントとして、CTO/VPoEの人材を紹介します。
今までの総合人材サービスでは成し得なかったマッチ率とフォローサービスを目指します。
CTO育成支援
CTO育成支援では、経営者や幹部陣営に本当に必要な能力をサポートします。経営者等にとって必要不可欠な論理的な思考力を身につけることができる企業講習を行います。
経営学の大学院修士課程を修了し、はじめて授与されるMBAの知識を有するグロースウェルの代表・大芝が経営者様の希望する幹部育成を実施することにより、自身で課題の発見から解決まで自立的に行えるリーダーの育成を支援します。
- ロジカルシンキング研修
- 事業計画書のワークショップ
- 個別スキルアップ研修
まとめ
エンジニアのモチベーションが低下する理由には、過度な残業、給与が上がらない、頑張っているのに評価されないといったことが挙げられ、そういった場合の対応方法について解説しました。
エンジニアのモチベーション管理にお悩みの場合は、グロースウェルへお気軽にお問い合わせください。
当社グロースウェル代表の大芝は、2015年にMBAを取得した後、自身のキャリアをエンジニアとして出発し、テクノロジーはもちろん、経営戦略の知見も融合した独自の業務課題の解決に注力してきました。大手IT企業にてプロジェクトマネジメントを務めた後は、ベンチャー企業での組織マネジメントやCTOとしてIPO(株式上場)を経験するなど、技術的な成功を企業にもたらしています。
グロースウェル創業後も、自身の知見を生かしたスタートアップ企業の技術アドバイザーや経営顧問を経験し、組織の課題解決とノウハウの蓄積を続けています。豊富なアドバイザーとしての知見と技術課題の解決力を持った人物をお探しの際には、お気軽にグロースウェルまでお問合せください。