ビジネスメンターの探し方とは?ポイントとメンターをつけるメリットを解説
企業の経営者や事業の成長を任せられたビジネスパーソンにとって、ビジネスメンターの存在は無視できません。正しいメンターを見つけることができれば、事業の成長はもちろん、自身の成長や精神的な安定感を手に入れることができるなど、得られるものは大きいからです。
今回は、そんなビジネスメンターの探し方や、ビジネスメンターを探す際のポイントについて解説します。
ビジネスメンターの役割
そもそもメンターは、アドバイスを必要としている人に対して適切な助言を客観的な立場から提供する人物のことです。ビジネスメンターは、よりビジネス領域にフォーカスしたメンターのことで、上司や同僚、経営者仲間などとは異なるアプローチで、サポートしてくれる存在です。
ビジネス上のアドバイス
ビジネスメンターに期待される役割として、まず挙げられるのがビジネス上のアドバイスです。
事業の成長に伸び悩んでいる、新規顧客を探すのに苦労している、新規事業のアイデアが浮かばないなど、ビジネスに悩みはつきものです。そんなときに役立つのがビジネスメンターであり、客観的な立場から有益なアイデアや知見を提供してもらえます。
自分や自分の組織とは異なる人間の意見を得られるため、新鮮味のあるアドバイスを必要としている場合に頼もしい存在です。
精神的なサポート
ビジネス上のアドバイスだけでなく、精神的な支柱となって自身を支えてくれることも、メンターがそばにいてくれるからこそ得られる恩恵です。
特に経営者は、同じ立場から物事を考える人物と意見を交わす機会が限られるため、メンタルケアを保つことが難しい問題を抱えています。ビジネスメンターは、そんな経営者を精神的に支援する上で重要な存在です。
具体的な事業のアドバイスだけでなく、どうやって毎日を健やかに過ごせるかという本質的なコーチングを受けることもできます。
ビジネスのメンターの起用で期待できるメリット
ビジネスメンターは、コンサルタントとの会話や役員会議などからは得られないメリットを受けられることが強みです。ここでは、どのようなメリットがあるのか解説しましょう。
ビジネスのモチベーションを維持できる
ビジネスメンターがそばにいると、モチベーションを高い水準で維持したままビジネスに取り組めることがメリットの一つだといえるでしょう。カウンセラーとは異なり、自分が尊敬できるビジネスの先輩としてアドバイスをビジネスメンターから得られるため、「自分も頑張ろう」と鼓舞することができます。
特に未開の領域での成長を目指す経営者は、自分のやっていることに自信を持てなくなることもあります。そんなときに、同じような経験をしてきたビジネスメンターがそばにいれば、どうやって苦しい時期を乗り越えたかといった経験を共有してもらえるため、自分のケースに当てはめながら高いモチベーションで事業に臨めるでしょう。
客観的な意見を得られる
ビジネスメンターは、直接自身のビジネスとは利害関係のない存在であるため、客観性の高いアドバイスや意見を得られることが特徴です。
経営に取り組んでいると、日常的にコミュニケーションを取る機会が多いのは、必然的に何らかの利害関係者です。利害関係者だからといって仲良くできないわけではありませんが、損得勘定が発生しがちであり、気軽に何でも相談することはできないものです。
そんなときに頼れる存在となるのが、ビジネスメンターです。損得を考えることなく、思いの丈や悩みを相談することができるため、利害に関与しない立場の正直な意見をもらうことができます。
経営者の孤独感解消などに貢献する
どれだけ熱心に取り組んでいる事業であっても、経営者が一人で責任を負いながら継続することにはプレッシャーがかかるものです。
そこでビジネスメンターから、心を軽くするためのアドバイスを得たり、自身の経験を話してもらったりして、「自分以外にも同じ境遇の人がいる」ということを実感できれば、リラックスして人生を歩むことができます。
メンタルヘルスの問題は、特に雇われる側の社会課題として取り沙汰されていますが、これは経営者も例外ではありません。カウンセリングを受けるまではいかなくとも、ビジネスメンターに相談ができる環境を用意しておけば、孤独感の解消やストレスの軽減に役立ちます。
優れたビジネスのメンターの条件
極端にいえば、自分が「この人はビジネスメンターにふさわしい」と感じる人がいれば、誰でもビジネスメンターとなってもらうことができます。とはいえ、ある程度ビジネスメンターとしての資質がある人でなければ、長期的に自身のメンターとして関係を保ってもらうことが難しいというのもまた事実です。
ここでは、自分にとって最適なビジネスメンターを探す上での条件について解説しましょう。
話を聞くのが上手であること
ビジネスメンターとしてまず大切なのは、人の話を聞くのが上手であることです。
ビジネスメンターから意見を出してもらえることはありがたいものですが、それは相談者の必要に応じて提示してもらうことが望ましいものです。そのため、メンターは話し上手であることよりも、聞き上手であることの方が素養として求められます。
自分の話をじっくりと聞いてもらえるような、聞き役に徹することのできる人物を探してみると良いでしょう。
自身が関心のある領域の専門家であること
自身の関心領域に関して知見がある専門家であることも、ビジネスメンターとしては重要な条件です。自分の関心領域に関心がない、あるいは興味の薄い人にメンターとなってもらっても、有益な意見やアドバイスを受けることはできません。
相談する側も気楽に悩みを話せなかったり、専門的な話が通じなかったりするため、メンタルブロックが発生してしまいます。そのため、ビジネスメンターはこの点にも意識して探す必要があります。
メンターであることに意欲的であること
ビジネスメンターは、ある程度意欲的な人物でなければ成立しない可能性もあります。無理やりメンターとなってもらっても、自身の問題解決に付き合ってもらえなかったり、そもそも会話の機会を作ることが難しいなどの問題が出てきてしまったりするためです。
そのため、ビジネスメンターを選ぶ上では、そもそも自分に興味を持ってもらっていたり、メンターとなることに意欲があったりする人物であることが求められます。
居心地の良い人物であること
一緒にいて心地が良かったり、何でも話したくなったりするような人物は、ビジネスメンターとして理想的です。ビジネスのパートナーではなく、気心の知れた先輩や友人のような感覚で話ができるのであれば、優れたビジネスメンターを見つけられたと考えて間違いないでしょう。
結局のところ、ビジネスメンターは仕事相手ではないため、感覚的にフィットする人物を見つけられるかどうかも重要なのです。
ビジネスのメンターと出会うための主な方法
では、ビジネスのメンターとはどのように出会えるのでしょうか?出会うための方法として代表的なものには、次の3つがあります。
人づての紹介
最も確実かつ頻度が多いのは、人づてでの紹介です。知り合いの知り合いからメンターとして適した人物と仲良くなったり、仕事として参加した展示会などでメンターとなってもらえそうな人物を紹介してもらったりといったケースがあります。
関係値がまったくのゼロの状態から仲良くなる必要がなく、お互いに共通点がある状態で関係を構築できるため、速やかにメンターとなってもらいやすいというメリットがあります。
セミナーなどのイベントへの参加
メンターとして理想的な人物のセミナーなど、各種イベントに参加することも効果的な方法です。直接相談や質問をぶつけられる貴重な機会であるため、たとえメンターとなってもらうことはできなくとも、良いアドバイスを得られる機会となるでしょう。
SNS
手軽で数をこなしやすい方法として、SNSを使ったメンター探しがあります。ダイレクトメッセージを送るなどしてコンタクトを取り、別途対面で相談する時間をもらう方法です。
ただし、多忙な人物にコンタクトを取っても、必ず良い返信が期待できるとは限りません。そのため、「連絡が来たらありがたい」くらいの感覚でコンタクトを取るのが良いでしょう。
ビジネスのメンター探しにおける課題
メンター探しに苦労したり、失敗につながってしまったりする課題としては、主に次のようなケースが挙げられます。
理想のメンターと出会えるとは限らない
メンター探しは、場合によっては顧客開拓よりも難しいことがある点を理解しておきましょう。
メンターは上司や顧客とは異なり、精神的にリラックスができる人物であり、尊敬できる人物であることが重要です。こういった人物は限られており、いつでもメンターを見つけることができるとは限らないのです。
時間や人付き合いへの投資が必要になる
このような厳しい条件下で理想的な人物を見つけるためには、とにかく時間を作って人との接点を多く構築する必要があります。日々の業務に忙殺されていては、そのために時間を作ることができないため、自身の働き方を見直さなければなりません。
信頼できる人物を見極めるスキルが求められる
信頼できる人物を見極められるかどうかも、メンターを探す側に求められるスキルです。
その人が自分のメンターに適しているかどうかは、人を見る目を正しく養う必要があります。そのためには、さまざまな人とコミュニケーションを交わす経験も必要です。
ある日突然メンターに最適な人が現れるというケースは稀なので、地道に多くの人と話す機会を設ける意識を持ちましょう。
メンター探しに失敗しないためのポイント
メンター探しに失敗しないためには、次のポイントを実践することが大切です。
広く好奇心を持つ
自分に適したメンターと出会うには、とにかく好奇心を抱くことが大切です。さまざまなことや人に興味を持ち、素直に話せるスキルと経験を磨くことで、自然とメンターに適した人物と出会えるようになるでしょう。
無理なく人脈を広げる
出会いが大事とはいえ、過剰に多くの人と出会おうとすると時間を無駄にしてしまいかねません。人脈があることは大切ですが、人脈の量よりも質にこだわることで、自分と相性の良さそうな人を紹介してもらえる環境を作ることが求められます。
メンターの活動内容や人柄を丁寧にリサーチする
メンターに適していそうな人を見つけた場合、詳細にその人の活動や人柄をリサーチしましょう。
その人のことをよく理解し、自分との共通点なども見つかるので、実際に話す機会に恵まれた際、質の高いコミュニケーションができます。お互いに本音で話せる関係を構築できれば、メンターとなってもらえる確率は高まるでしょう。
書籍やサービスを通じた精神的なメンター探しに取り組む
身近にメンターを探すことが難しい場合、書籍の筆者やサービスの提供者などに注目していくことも効果的です。彼らの活動やインタビューからスキルや精神性を学び、自分の糧としていく方法です。
自身の具体的な悩みには答えてもらえないものの、似たような境遇をどう乗り越えたかという貴重な経験を共有してもらえるでしょう。
まとめ
この記事では、ビジネスメンターを探すことの重要性や、どうすれば理想のビジネスメンターに出会えるのかについて解説しました。
年齢や性別を問わず、責任ある事業に携わる人にとってメンターの存在は大切で、事業成長のヒントを得たり、自身のモチベーションを維持したりするのに大きな意味を持ちます。ビジネスメンター探しに失敗しないためにも、理想のメンターとしての条件をよく理解した上で、自分に合ったビジネスメンターと上手に出会えることが理想的です。
また、ビジネスメンターを探す上で重視したいのが、メンター候補となる人物の実績や経験です。当社グロースウェルの代表である大芝は、ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせながら、後にMBAを取得し複数企業でスポットCTOを務めてきました。
組織課題の解決に経営者の視点で取り組みつつも、自身のエンジニアとしての知見を生かした現場重視のソリューション提案にも取り組んできたため、ロジカルとエモーションの両軸でアプローチすることが可能です。
DX需要の高まりに伴い、エンジニア思考やエンジニア主体の組織作りがさまざまな領域で求められています。次世代の組織作りや技術課題の解決を必要としている場合には、お気軽にグロースウェルまでご相談ください。