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【2022】CTOに求められる役割とは?CEO・VPoE・エンジニアの役割との違い


CTOの役割




テクノロジーの活用が世界中で進んだことで、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、今や日本でも喫緊の課題となりました。社内業務のデジタル化はもちろん、テックを活用した新しいビジネスモデルの構築も求められるなど、ハイテク活用の重要性はここ数年で大きく高まっています。




そんな中、重視されているのが社内の技術部門を統括し、適切な企業経営を実現できる人材やポジションの存在です。Chief
Technology Officer、通称CTOと呼ばれる役職は、技術部門の責任者となるだけでなく、正しい技術活用へ導いてくれることから、DX企業には不可欠です。




今回は、CTOが担う役割について、通常のエンジニアやCEOとの違いに着目しながら解説します。




CTOとは




CTOは、日本語に訳すと「最高技術責任者」と呼ばれる役職です。その名のとおり、その組織における技術部門の最も影響力のある存在で、エンジニアリング能力はもちろん、自身の経験に基づく強力なリーダーシップやマネジメント能力を発揮し、組織経営にも大きな影響力を与える人です。




技術部門の責任者という立場上、技術者寄りの人物がCTOに選ばれるケースが多いものの、その活動内容については強力な意思決定能力を発揮するものであるため、ときとしてCEOやその他役員と同様の強制力を持った発言権が与えられることも少なくありません。




CEOとの違い




組織で大きな権限を握っている存在として代表的なものがCEOです。CEOはChief
Exective Officerの略称で、日本語では「最高経営責任者」と呼ばれます。




その名の通り、CEOは事実上その組織の中で最も大きな経営決定権を握っており、最終的な意思決定の権限はCEOにあることが一般的です。




CEOは会社のあらゆる意思決定に関わる一方で、CTOは技術分野に関する意思決定に限定された役職です。技術以外の分野における意思決定権はCEOが上回りますが、CTOは技術分野においてはCEOと同等の権限を持つこともあります。




CEOに比べてCTOの方が技術分野において専門的な知見を持ち合わせているケースが多く、説得力の面でCTOがCEOに勝ることも珍しくありません。




エンジニアとの違い




CTOはエンジニア職出身の人材から選ばれることが多々ありますが、CTOとエンジニアにはどのような違いがあるでしょうか?端的にいうと、CTOはエンジニアに比べ、より企業経営やマネジメント能力の高さが求められる職種であるといえます。




一般的なエンジニアは組織の立ち上げたプロジェクトにのみ集中し、その成功に向けて能力を発揮することが求められます。一方で、CTOはプロジェクト単位での業務が発生することもありますが、それよりもより大きな組織としての立ち回りが求められます。




組織にとって最も大きな利益をもたらす選択肢を選び、プロジェクトが正しく成功に終われるようマネジメントに取り組むなど、特定のプロジェクトの成功よりも、円滑な企業経営の成功に注力する業務が多く発生します。




VPoEとの違い




CTOと似たような業務を担う役職の一つに、VPoEと呼ばれるものがあります。VPoEはVice
President of Engineeringの略称で、エンジニア部門のマネジメント責任者を指します。




CTO同様、VPoEも技術職出身の人物が配置されることの多い役職ですが、VPoEはより人材のマネジメントに特化した役職です。VPoEと比較して、CTOはより技術面の知見や経験に特化した人物であり、技術課題の解消のためにエンジニアと解決策を考えることも多いものです。




大手テック企業ではCTOとVPoEが別個に設置されることもありますが、中小規模の組織の場合、CTOがVPoEの役割を兼任することもあります。そのため、VPoEがCTOより優先されるケースは少なく、VPoEよりもCTOの設置が先に行われることがほとんどです。




CTOの役割




ここでは、もう少し具体的にCTOの役割について深掘りして解説していきましょう。CTOの業務は、主に次の3つとなることが一般的です。




技術戦略の策定




1つ目の役割は、技術戦略の策定です。社内でどんなシステムを運用するのか、あるいはサービスとしてどんな技術を開発するのか、あらゆる決定権をCTOが握ることとなります。




これまでテクノロジーに明るくない意思決定者が技術部門の指揮を執っていた場合、専門的な能力を備えたCTOの配置によって、一気にデジタル化や新規ビジネスの創出が進むことが期待されます。




経営戦略を踏まえた技術的意思決定




2つ目の役割は、経営戦略を踏まえた技術的意思決定です。単に作りたいものを作るのではなく、企業経営にとって最も利益のある技術開発や技術運用ができているかどうかをCTOが判断し、実行に移します。




手当たり次第に技術導入や開発を進めて予算を圧迫したり、人手を浪費したりすることを防ぐ役割です。




エンジニアの採用・教育(VPoE的な役割)




3つ目の役割は、社内エンジニアの採用や教育です。エンジニア人材のマネジメントは、本来VPoEが担当する業務ではありますが、小規模な組織の場合はCTOがその役割を兼任します。




会社に必要な技術とプロジェクトを見極め、それに則った人材を確保および教育することで、スマートな企業経営をもたらします。




CTOに必要な能力




CTOに求められる能力は、組織のフェーズに応じて異なります。ここでは、企業の成長段階を次の4つのフェーズに分け、それぞれのフェーズでCTOに求められる能力について解説します。




シードステージ(準備期間)で求められる能力




企業の創業前であるシードステージにおいて、CTOはまず開発業務へ率先して取り組みます。社内システムの整備や製品として展開予定のアプリ開発など、事業の柱となる技術の完成に向けたパフォーマンスが求められます。




最新のテック事情への知見や、開発能力の高さなど、エンジニアとしての基礎的なスキルが問われます。




アーリーステージ(創業期)で求められる能力




企業が創業して間もないアーリーステージにおいては、自社で開発したシステムの運営や管理、そしてサービスの改善に努められる技術力やマネジメント能力がCTOには求められます。




組織的な活動がある程度求められるようになる段階でもあるため、小さいエンジニアチームをまとめられるようなリーダーシップ能力も必要になるでしょう。




ミドルステージ(事業成長・拡大期)で求められる能力




事業が成長段階に入ったミドルステージにおいて、CTOは高いマネジメント能力の発揮が求められます。現場作業はエンジニアチームに任せ、新しいプロジェクトの策定やリリースに向けたスケジューリング、人材配置の決定などが発生します。




また、自社技術開発に携わってきた経験を活かし、どうすればさらなるブランド向上につながるのかなどの経営戦略にも貢献することで、企業経営にも関わるようになります。




レイタ―ステージ(事業発展)で求められる能力




事業が十分に発展し、安定した成長が見られるようになったレイターステージでは、ミドルステージよりも大規模なマネジメントや意思決定が発生します。一度に複数のエンジニアチームの管理を担当し、企業の更なる成長につながる最新技術開発にも着手します。




後任となるCTO候補の人材育成にも携わり、自分がいなくても会社が回るような仕組みづくりにも着手し始めるタイミングです。




国内企業におけるCTO採用の事例




これまで、CTOの採用は海外に多いものでしたが、最近では日本企業でもCTOを採用するケースが増えてきています。ここでは、国内企業におけるCTOの採用事例を紹介しましょう。




株式会社スタイルポート




不動産分野における技術開発を進める株式会社スタイルポートでは、CTOを設置することによって経営と技術の橋渡し役を獲得し、プロジェクトを発展させることに成功しています。




市場と企業のニーズをすり合わせられるよう、社内のセールスチームとCTO率いる技術開発チームの連携を積極的に行い、現場で実際に活躍できるプロダクト開発を推進しています。




株式会社クレディセゾン




金融サービスを展開する株式会社クレディセゾンは、DXの実現を見据えたCTOの設置を進め、社内システムの刷新や新サービスの展開を実現しました。




既存の社内ソフトはすべてクラウドへと移行する大胆な方策を取り、スマートスピーカーを使った新しいユーザー体験の提供にもつなげるなど、社内外を問わず各方面での技術活用を積極化しています。




NTTグループ




国内最大の通信会社であるNTTグループでは、高度IT人材を確保するための施策を展開しており、その一環としてCTO枠の設置を推進しています。CTO級の人材には年俸3,000万円を超える金額を提示するといった人事制度を採択し、人材確保へ本格的に動いている国内企業の一つです。




NTTは、2023年までに全米100都市にスマートシティー化システムを導入する目標を掲げており、短期での目標達成においても欠かせない施策であることから、破格の待遇による人材確保が進められています。




CTOの選び方のポイント




自社に適したCTOの選任を行うには、正しいCTO選びのポイントを把握しておくことが大切です。以下の3つのポイントを押さえ、間違いのない人材確保を進めてください。




DX経験などこれまでの実績を重視する




1つ目のポイントは、DX経験の有無です。DXを推進するためにCTOを設置する場合、CTOにDXの経験がなければ円滑な推進は期待できません。




自らが主導の上DXを推進した経験のある候補者はもちろん、エンジニアとしてDX施策に携わっていた人材でも、スキルセット次第でCTOとして申し分のない力を発揮してくれるはずです。




最新のスキルセットを持ち合わせているか確認する




2つ目のポイントは、CTOのスキルセットに注目することです。経営能力の高さはCTOに必要な能力ではあるものの、技術者としての知見がなければ、社内のエンジニアチームを引っ張り、問題解決能力を発揮することはできません。




また、技術トレンドの変化は著しく、常に最新のテクノロジーを追いかけていなければ効果的なソリューションを出すことができません。新しいテック事情に精通しているかどうかも、CTOとしてふさわしい人材かどうかの判断基準だといえます。




採用力やマネジメント能力を重視する




3つ目のポイントは、採用力やマネジメント能力のある人材かどうかです。すでにVPoEが設置されている場合そこまで重視する必要はありませんが、そうでなければ正しい人材を見抜き、正しくプロジェクトを管理できる能力がCTOには必要です。




会社と相性の良い人材や必要な人材を見抜き、長く定着してもらえるような施策を遂行できる人物でなければ、離職が相次いで人材獲得コストが増えるばかりです。末長く働いてもらえるような人を見抜ける人物にCTOになってもらい、企業の成長を推進しましょう。




まとめ




CEOやエンジニアとの違いに注目しながら、CTOの役割について解説しました。CTO人材としてふさわしい人物を確保するには、自社の成長段階を正しく評価し、CTOに求める役割を明らかにしておくことが重要です。




当社グロースウェル代表の大芝は、自信がCTOを務めながら上場を果たした経験を持ち、またMBA(経営管理修士)を取得し、これまでスポットCTOとして複数のスタートアップ企業を支援し続けてきています。技術的な側面はもちろん、経営的な側面からも、事業フェーズに応じてサポートを行っています。




CTOにお困りの際には、お気軽にグロースウェルまでご相談ください。




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