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【2024】【経営者学びのネタ】システム発注<IT投資の基本的な考え方>


学びのネタでは、私がこれまで「経営とIT」を考え、実践してきた経験を基に経営者の皆様が知り たいと思っていらしゃるであろう事や、知っておくべき事をご紹介させていただければと思います。




この先、3回のテーマは「システム発注」についてです。




以下のようにサブテーマを設定して、順にお話しさせていただきますので、ぜひ、お付き合いください。




【システム発注】




  • (1)IT投資の基本的な考え方
  • (2)外注先選びのポイント
  • (3)要件定義のコツ



システム発注:IT投資の基本的な考え方




今回は、システム発注とIT投資を検討するあたり必要になる基礎的な考え方についてのお話です。 昨今、IT(インフォメーション・テクノロジー)、もしくはICT(インフォメーション&コミュニ ケーション・テクノロジー)が経営において重要である、という考え方は広く社会に受け入れら れ、その必要性を認識されている方が大半であると思います。




しかし、具体的に「なぜ、やるべきなのか?」「いつから、やればいいのか?」「いくら、かけ ればいいのか?」と問われると、明確ではないこともあるのではないでしょうか? 本稿ではこれ
らの点について明確化し、自社のIT投資の意義と必要性を的確に判断し、役員、従業員を巻き込ん で実施していくためのベースとなる考え方をお伝えいたします。




<なぜ、IT投資をするべきなのか?>




今後、ますますIT投資が重要になる背景には、日本の社会における「人口減少と高齢化による、 顕著な労働力人口の減少」という背景があります。総務省の統計によれば労働力人口は2013年か ら減少を始め、この先約40年で40%近くも減る見込みです。残念ながら、ある日突然人口が増え るということはありませんので、「人口減と急速な労働力の減少」は私たちの社会に不可逆的に おこる現象と考えて間違いありません。




参考:総務省|平成26年版 情報通信白書|我が国の労働力人口における課題
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc141210.html
働き手が減るわけですから、今の社会の生産性を維持するだけでも時間あたりのパフォーマンス を高めなければなりませんし、企業としての成長を目指すならなおさらです。しかし、人間ひとり の作業量には限界がありますから、そこでITによる効率化が不可欠になるというわけです。
これは何も「スグにすべての業種でAIを取り入れる、IoTだ、ブロクチェーンだ」という話では無 く、これまで手作業で記入していた書類をエクセルに置き換えるだけでも効率は上がりますし、 紙の書類で行なっていた稟議をウェブ上で進めるだけでも、立派なIT化の第一歩であると言えま す。




<いつから、IT投資をすれば良いのか?>




IT投資を始めるタイミングの目安を2つご紹介します。1つ目は、従業員が20名を超えた時、2つ目は年間売上が2億円を超えた時です。
人数が少ない時は、対面での細やかなコミュニケーションができますし、ITシステムに頼らなくて も誰が何をしているかを把握できるでしょう。しかし、一般的に20名を超えたあたりから、対面でのコミュニケーションが不足し、お互いの業務がわからなくなる傾向があります。そのため、 例えば日報や週報のシステムを活用して情報の吸い上げと集約を効率化したり、業務チャットによ るコミュニケーションのスピードアップするといった改善が必要になってきます。
また、年間売上が2億円を超えたあたりにも、取引先や在庫、売上の管理の複雑さが増している はずなので、システムによる効率化や省力化が必要なタイミングであると言えるでしょう。
もちろん、業種や経営者の特性により、杓子定規に判断できない部分はありますが、目安として 「従業員20名以上」「年間売上2億円以上」という、この2つの数字を覚えておいていただけれ ばと思います。なお、これより早い時期から準備を始めることについては、何ら問題はありませ ん。




<いくら、IT投資にいくらかければいいのか?>




IT投資を始める時期にさしかかっているという場合、いくらの予算が適切だと言えるでしょうか?
これにも、2つの考え方があります。




1つは年間売上の5~10%をIT投資に振り分けるとあらかじめ決めて「取り置き」するという考え 方です。人数や売上ベースで見て、一定のレベルに達した企業の場合、少なくとも5%程度はIT投資に振り分けておかないと、利益率の向上が難しくなってくるケースが多いです。




2つ目は、人手に頼っている業務の人件費をもとに、いくらIT投資に振り分けられるか算定する方 法です。例えば「人件費500万円の人が行っている業務」をシステム化できるのであれば、その分 をIT化に投資するという考え方です。




この際に留意するべきは、システム化によって仕事が無くなり、大幅に減る従業員には再教育をし て、引き続き社内で活躍できる仕組みを用意した上でシステムを導入することです。「システム化 と解雇」がセットになってしまっては社内の協力も得づらくなるため、再教育や再配置を行ない より高い価値を想像できるようにすることが大切です。




<まとめ:システム発注とIT投資の基本的な考え方について>




労働力人口が減る中で、企業の成長を維持するためには人力、人手に頼らない業務の効率化が必要であり、そのためにIT投資が不可欠です。従業員が20名を超えるか、売上が2億を超えたタイ ミングを目安として、本格的なIT投資を行ないましょう。IT投資には、年間売上の5~10%を振り
分けるか、省力化できる作業を行っている人の人件費をベースに算出した金額を振り分ける方法が あります。
次回は「外注先選びのポイント」について、ご紹介いたしますので、ぜひ、ご期待ください。

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