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【2024】【経営者学びのネタ】システム発注<外注先選びのポイント>


前回に引き続き、今回の学びのネタのテーマも「システム発注」です。前回は「IT投資の基本的な 考え方」と題して「なぜ、いつ、いくら、IT投資が必要か」という概要をご説明いたしました。




今回は、具体的にシステム発注、IT投資に向けて動くに当たり、外注先ベンダー企業を選ぶ際のポ イントをご紹介いたします。




なお、次回のテーマは「要件定義のコツ」を予定しており、システム発注に関してこの3回で基本 的な進め方をお伝えできればと思っています。




【システム発注】




  • (1)IT投資の基本的な考え方
  • (2)外注先選びのポイント
  • (3)要件定義のコツ



システム発注:外注先選びのポイント




今回は、IT投資を進めるために外注先を選ぶにあたり、知っておくべき情報をお伝えいたします。 知らずに発注してしまうと金額面で損をしてしまったり、せっかく作ったシステムが使いづらかっ たり、使い物にならなかったりすることも少なくありませんので注意が必要です。




筆者が長年この業界に関わってきた経験からみても、安心しておまかせできる外注先というのは 残念なことに全体の1、2割程度というのが実情です。




なぜ、良い外注先は見つけづらいのか?




安心して任せられる会社が少ない、という状況にはどういった背景があるのでしょうか?




まず、IT業界は技術の進化が速いので、それにキャッチアップし続けることは容易ではないという 事情があります。また、エンジニアの人件費が高騰しており、優秀な人材をリーズナブルな価格で 雇うことはますます難しくなっています。これにより、ベンダー企業は人件費に見合う利益を確保 するために1人に複数の案件を詰め込んだり、タイトな納期で対応させようとしたりして仕事の クオリティが落ちてしまうという状況があるのです。




また、エンジニア本人が経験不足であることを自覚していないケースもあり、これも失敗につなが る要因です。大半のITシステムは5年ほどのサイクルでリプレイスが必要になりますが、その時に 何が必要とされるか、リプレイスを見越してシステムを設計できるかは、実際にそれを経験してみ ないと分からないケースがほとんどです。1つの領域で3年も経験があれば「わかった気」になり がちですが、その期間だとリプレイス経験がゼロというエンジニアも少なく、そこで起きる課題 に気づけないという可能性が高くなります。




一方でサービスをゼロから立ち上げた経験があり、3,000万円クラスの案件、月間30人可動レベル のプロジェクトをマネジメントした経験があり、リプレイスまでやりきっている人材がアサイン されるような場合は、安心して任せられそうだというサインになります。こうしたベテランエンジ ニアがアサインされるかどうかは、発注側にエンジニアの知見や嗅覚が必要となります。




<良い外注先を見分ける基本>




自分がITの専門家でなくとも「良い外注先を見分けられる」方法があります。これはIT業界以外に も共通することですが「問い合わせをした時に、早く返事が速く返ってくる」かは重要です。すば やく返答があり、打ち合わせ日などが速く決まる、見積書の提出が速い、といった会社は、その 後の進行もスムーズにいくケースが多いです。




一方で、日程調整に手間取るような場合は要注意と言えるでしょう。ピンポイントの日付が空いて いないのは仕方ありませんが「いつなら、大丈夫ですか?」という質問に即答できない場合、ス ケジュール管理に難あり。人数が不足していて、既存のプロジェクトが伸び伸びになっているといっ た理由でいつ可動できるか見えてないという状況である、という可能性を疑う事も必要です。




また、打ち合わせの際に質問した内容に「お調べして、後日ご連絡いたします」という回答があっ た場合の対応も、良いチームかどうかを見分けるポイントです。後日、調査や議論が尽くされた返 答があれば、信頼に足るという判断材料になります。




一方、返答が遅かった、こちらが聞きたかった内容と噛み合っていない回答だった、表層的な
情報や一般論でしかなく知識や経験の浅さが感じられる、といった場合は発注を見送るほうが無
難であると言えるでしょう。




<オフショアでの開発>




数年前にオフショアブームがあり、人件費の安い海外で開発を行なってコストダウンを図ろうと するトレンドがありました。例えば、ベトナムで開発を行なえば、人件費は日本の1/4程度になる といったメリットは今でもあります。




一方で、作業ドキュメントが残されておらず、納品された内容を修正する際にプログラミングの意 図やロジックがわからず手がつけられない、といったケースも散見されます。また、オフショア開 発では。プロジェクトの趣旨を理解して、ゴールに対してチームが最適なコードを書いていくよう なことは少なく「部分に対して、言われたことだけをやる」ケースが多いのも難点です。




日本と現地の橋渡しをする「ブリッジSE」に優秀な人材をアサインできれば成功の可能性もあり ますが、そうでない場合は国内で開発をする方が全体として見た場合にオススメしてます。




<まとめ:外注先選びのポイント>




IT投資を行ない、システム発注をする場合、安心して任せられる会社は1,2割程度しかありませ ん。ベンダー企業が人件費の高騰や雇用難に苦しめられている背景があり、厳しい現実が生まれ ています。そのため、外注先の選定には慎重になるべきです。




自社にITの専門家がいない場合でも、相手の会社の対応の速さや質問に対する回答のクオリティ などを精査して、出来る限り良い取引先を選ぶようにしましょう。




海外での開発については、コストが下がるメリットはあるものの技術負債を抱えるリスクもあるので要注意です。

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